現在、新型コロナウイルスの影響を受けて、大きく働き方や仕事の拠点に対する考え方が変わってきています。
人が集まる会社や都会から離れた場所に拠点を移して、自由な仕事のあり方、暮らし方を実現させる人が増えています。また、都市部でも自宅で家事や育児を家族で共有しながら行うテレワーク(リモートワーク)の浸透も進んできました。
その一方で、ご家庭でのテレワークに関する問題も浮き彫りになってきています。「仕事に集中できる快適なスペースがない」「仕事時間とプライベートとの切り替えが難しい」など、理想のテレワークが叶う空間が設計されていない住まいが多いのも事実です。
これからの時代、働き方は大きく見直され、働く側のメリットや仕事の効率を活かしたカタチへとシフトしていく中、家庭+テレワークを考えた間取り設計は家づくりに欠かせない要素になってくるのではないでしょうか?
今回は、テレワークにおける問題点を解消しながら、より快適な仕事とプライベートのバランスがとれる間取りレイアウト、空間アイデアをご紹介していきます。ぜひとも仕事効率アップや家庭円満のシステムづくりにお役立てください。
目次
■テレワーク空間が必要
■テレワークにおける問題点
■理想のテレワークとは?|スペースとスタイル
■快適なテレワーク空間|実例
■まとめ
■テレワーク空間が必要
家づくりにおける開放感や家族との距離感、つながりなどが注目される一方で、ご家族の人数に合わせて必要な書斎、ワークスペースを確保したというご家庭は少ないのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの影響で、急速に進展したテレワークが強いられる中、機能的なテレワークのメリットも大々的に報じられています。長距離移動や通勤ラッシュ、職場の人間関係によるストレスといった時間・身体・精神における苦痛や不安を解消できるという意見も多く、また、テレワーク自体の便利な機能や効率のよさも認められてきています。
今後の働き方を考えても、テレワークへの支持率や重要度は外せないポイントとなっています。この流れの中、新築やリフォーム、リノベーションにおいてもテレワーク空間をデザインする必要性が出てきています。
家事や子育てなど、家庭の事情やプライベート時間とのバランスをはかりつつ、仕事に集中できる快適なテレワーク空間が設計できれば、これからの暮らしにきっと役立つはずです。ご家族との時間と自分だけの時間、どちらも大切に守られる家づくりを目指しましょう。
■テレワークにおける問題点
書斎や趣味の部屋といった個人の部屋を設けているご家庭もあるかもしれませんが、土地や部屋数の問題で間取りを確保できない、必要ないと考えていたなどの理由で、ワークスペースを確保していなかったご家庭も多いことでしょう。
「これからの10年できっと増える家」をテーマに株式会社リクルート住まいカンパニーが実施した「新型コロナを受けたテレワーク×住まいの意識・実態」調査(2020年5月22日発表)では、この急速なテレワークの導入に対して、自宅での仕事環境における問題・課題が明らかになりました。
例えば、テレワーク継続時には、48%が間取り変更を希望し、24%が住み替えを希望しているという結果の理由として、「子どもを見つつ仕事可能な環境(部屋・スペース)がない」「一人で集中をするスぺースがない」という家族構成や家庭での家事・育児との兼ね合いに関する問題や不満が挙げられました。
・仕事スペースの確保
新型コロナウイルスの拡大以前に、もともと在宅勤務が前提で家づくりを行った場合を除くと、完全個室の書斎やワークスペースの確保や設備に必要性を感じたご家族は少ないのではないでしょうか。しかし、これからはテレワークやWeb会議はもちろん、オンライン学習やオンライン飲み会といったお子様の教育からご家族の趣味やイベント参加においても、なくてはならない空間となっています。
仕事や学習、イベントの参加など、ご家族の目を気にせず、集中したい場合には、完全個室のテレワーク空間の確保がおすすめです。
Web会議や勉強会、オンラインで相手との会話が必要な時でも、自分たちの声やご家族の声がお互いに気になったり、迷惑になったりすることもなく、背景に生活感やご家族が映り込んでしまうという失敗も起こりません。
また、仕事や学習に必要な書類や書籍、仕事道具を安全に管理しやすいことや仕事やプライベートの空間を切り離すことでオン・オフの切り替えがスムーズになるのもメリットではないでしょうか。
■注意ポイント
例えば、間取りに余裕があり難なくテレワーク部屋を確保できるのであればよいのですが、現実は1部屋でも増やすとなれば、家全体の間取り調整や空調・照明などの設備の追加などが必要になってきます。かと言って、狭くエアコン設備も収納力もない部屋では、仕事がはかどることもないでしょう。テレワークのように長時間こもることを考えると、ある程度の開放感と快適な空調設備、仕事や作業に没頭できるように関連グッズを揃えておく収納スペースがあると便利です。
・プライベートとの兼ね合い
家事や子育てなど、日常の生活やプライベートとの兼ね合いを考えたテレワーク空間をつくる場合には、小上がりやスキップフロアを利用した半個室のワークスペースを確保すると便利かもしれません。完全個室の書斎のような遮音性や視界の遮断が必要ない場合には、家事や育児の合間の気軽な作業場所として活躍しそうです。
また、スキップフロアやロフトといった空間は、延床面積を広げることなく、立体感を楽しめる隠れ家的な要素と空間活用のメリットを備えています。
まだ、小さなお子様がいるご家庭や家事との兼ね合いを考えて、完全個室の書斎と共同スペースのリビングダイニングの中間地点である便利な場所にテレワーク空間を配置するというアイデアもおすすめです。
■注意ポイント
子育てや家事をこなしながらの在宅勤務はとても難易度の高いものです。ご家族の協力を得られるのであれば、作業に没頭しやすい完全個室を設けることをおすすめしますが、お仕事の内容やご家庭の事情によっては、家族・プライベートとのつながりが近い方が効率的な場合もあります。
将来、ご家族のライフスタイル変更や平日・土日のワークスタイルの違いに合わせて、使い分け可能な完全個室と半個室の配分から検討してみるのがよいかもしれません。
■理想のテレワークとは?|スペースとスタイル
理想のテレワークスペースを確保するために、快適なテレワークスタイルを叶えるポイントを確認していきましょう。
例えば、住宅が建ち並ぶ東京のこじんまりとした狭小書斎・窓から湘南の海を楽しめるデザイン性に富んだ書斎・秩父の壮大な自然を感じる静かな書斎など、地域やご家族の希望によって理想のスタイルはさまざまです。まずは、おしゃれなワークスタイルを実現させるための基本的なポイントを押さえていきましょう。
・広さ
作業テーブルとイス、本棚を備えた一般的な書斎であれば、約4畳半~6畳のスペースが快適な目安になります。
デッドスペースなどを利用した約2畳~3畳のミニマム空間も人気でしたが、テレワークが浸透してきた現在において、家庭内での仕事時間や必要な設備を置くスペースを考えると、ある程度のゆとりを確保して、陽の光が入る窓の配置などもこだわった快適な空間づくりが望ましいでしょう。
・通信環境や空調設備
テレワークに欠かせないPCやスマホ、プリンタなどの電子機器のレイアウトを考えた電源確保・コンセントの配置が重要です。また、通信環境が十分に整っていなければ、はかどるはずの仕事もスムーズに進みません。
また、完全個室を設ける場合のエアコン設置や半個室を備える場合の全館空調性能など、ワークスペースの広さや配置、スタイルに合わせて快適な空調管理のできる設備の導入を考えておきましょう。
仕事のコンディションや作業効率に大きな影響を与える通信環境や空調設備に関する情報は事前によく検討して、これからの新しい時代に合った機能の導入をおすすめします。
・防音
リモートによる在宅勤務が増えたことで、仕事中に耳に入る騒音や家族の声によるストレス、オンライン会議や雑談の内容がご家族に筒抜けで気になるなど、防音トラブルによる間取り変更や引っ越しを希望するご家族も増えてきています。仕事時間においてもプライベートでのオンラインの集まりにおいても、家族から距離をおいて音を遮断したいという要望が高まっています。
完全防音室を希望する場合には、別途工事費用がかかるため事前に確認しておく必要があります。
完全防音措置を施さない場合でも、テレワーク部屋の床材にクッションフロアやコルク材を選んだり、フローリングの床にマットを敷いたり、椅子やキャスターを動かす時に出る音が他の部屋に響かないような工夫・配慮があれば他のご家族にも優しいテレワーク空間が完成します。
・収納
在宅勤務において意外と困るのが、必要な仕事関連書類や道具の収納場所やセキュリティ管理の問題ではないでしょうか。
オフィスで働くような便利な機能性と集中力を遮断しない快適な通信や資料の管理を重視するのであれば、使い勝手のよい収納力やレイアウトにもこだわったテレワーク空間づくりが大切です。
また、重要書類の保管や電子機器の安全な管理・施錠の必要性を考えて設計することで、テレワークする側もご家族も安心して暮らすことができます。
■快適なテレワーク空間|実例
こだわりのテレワーク空間実例やアイデアあふれる活用方法をご紹介していきます。
・実例① ホテルライクオフィスのようなテレワーク空間
ホテルライクな住まいで、来客もご家族も使える広々空間を設計。半個室空間をオフィスのように活用することも、ご家族共有でそれぞれの作業に没頭することも可能です。
【家族のこだわり溢れる、リゾートホテルライクな暮らし。|八王子市】
・実例② リビング横の安心スペース
お子様の学習スペースやリモートワークにも活用できる優秀な多機能空間です。
和テイストの掘りごたつ様式で椅子いらず。子育てや家事の合間にも、ご家族不在の時間帯にも、ちょっとした時間でも気軽に使える安心便利な空間です。
・実例③ 完全個室な大人の書斎
収納力や開放感、趣味を兼ね備えた落ち着きのあるワークスペースです。
仕事とリラックスを快適に使い分けられそうなレイアウトが完成しました。
【楽器演奏を思い切り楽しむ。開放感あふれる南仏調の住まい|八王子市】
・実例④ アイデアが浮かびそうな空中ワークスペース
家族の様子を把握しながら、快適に広々と作業ができるスキップフロアデスクです。
個室にこもってする仕事とは違い、開放的な気分で作業が進みそうです。ご家族との生活スタイルから外れることなく、ほどよい距離感で仕事とプライベートの調和を保てる設計です。
■まとめ
テレワークが浸透して、その利便性・機能性が認められてきた今、より快適な在宅でのワークスタイルを確立・設計していく必要があります。家事や子育て、ご家族との時間・空間を守りながら、お互いが居心地のよい距離感を保てる空間づくりが重要です。
また、ご家族の成長やその日のスタイルに合わせて、作業場所を柔軟に切り替えられるように完全個室+半個室の検討もおすすめです。仕事道具の安全管理やモチベーションの切り替え、集中力を高める目的を第1とする完全個室と家事や家族とのつながりを守りながら、仕事もプライベートもスムーズに効率的に行いたい場合の半個室の両方があれば、ご家族の成長や仕事内容、気分に合わせて柔軟に使い分けることも可能です。
理想のテレワーク空間とは、家で働く人やご家族が快適に過ごす家づくりに欠かせない、大切なスペースなのです。限られた間取り内での設計・配置となるため、いま1度快適なワークスタイルについて考え直して素敵なデザインに仕上げてみましょう。
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