憧れの一戸建ての夢を叶えるには、2つの方法があります。ひとつは、土地を用意して、自分の好きなように外観や間取りを作る注文住宅。もうひとつは、土地と建物がセットになって、すでに完成されているものを購入する建売住宅。
どちらにするのかは悩ましいところですが、ここではそれぞれのメリット・デメリットを紹介していきます。
注文住宅の特徴は、なんといっても自由度の高さです。建ぺい率や容積率、など法律に絡むところは押さえておかなければいけませんが、それ以外のところは間取りや外観、インテリアまで、自分の好きなように作れます。
「注文住宅は高い」と言われますが、一概にそう言い切れるものではありません。むしろ、予算に合わせて広さや使用する材質や工法などを選べるのは注文住宅が持つ魅力です。
例えば、内装材ひとつとっても「ダイニングやキッチンにはこだわりの天井に仕上げたいけれど、寝室は一般的なものでOK」といったような調整ができるのです。
また、最近ではローコスト・ハウスメーカーと呼ばれる建築会社も台頭してきています。これによって、従来のハウスメーカーほど自由な注文はできないものの、低予算でも好みに合わせた完成度の高い家づくりができるようになっています。
一方、注文住宅のデメリットは、「価格に上限がない」ということです。土地が許す限り、建物は大きく広くできますし、その分価格は高くなります。材料もこだわるほどにコストは上がっていきます。
モデルハウスなどは、豪華で広く見えるように設計されているため、これをそのまま作ろうとすると高価になるのですが、一旦そういったものを見てしまうと、なかなか質を落とそうと思えないのが人間の心理。
予算に合わせた家づくりが注文住宅のメリットだったはずが、結果的に高い買い物となることもありますので、注意しましょう。
また、申し込みから完成までに時間がかかるのも、建売住宅にはない短所です。基本的に注文住宅では間取りから内装、外観に至るまで隅々まで打ち合わせをして、それらが決まってから着工となります。
打ち合わせに3ヶ月、着工から完成まで3ヶ月と、少なく見積もっても半年以上はかかると考えておいた方が良いでしょう。
ただ、打ち合わせの時間などは「理想の家づくり」のための楽しい時間でもあり、注文住宅を希望する方の多くはこの時間もメリットのひとつだと考えています。
建売住宅の特徴は、なんといっても「既にほぼ完成している状態でそこにある」ということ。そのメリットは、入居までが非常にスピーディな点です。家が欲しいという想いをすぐに実現できるのが建売住宅なのです。
建売住宅が売りに出されるのは、基本的に着工直前から、完成後売れるまで。工事期間も注文住宅と比べると短いので、着工前の物件を申し込んだとしても、それほど待たされることはありません。
また、出来上がりの状態を想像して打ち合わせするしかない注文住宅に対し、建売住宅の場合は完成しているものを前にして買うか買わないか悩むことができるというのもメリットのひとつです。
同じ仕様の家をいくつも作るため、材料費を下げやすく、販売価格が抑えられる点も建売住宅ならではの長所ですね。
販売する側の視点から見てみると、建売住宅は「複数の人に対応する物件」でなければなりません。そのため、個性的なものは作られにくく、どうしても没個性的な家となってしまいます。
また、間取りや設備等、後から変更することなどは考慮されていませんので、「子供が大きくなったから、部屋を増設したい」といったようなニーズには対応できません。
同様に、例えば「部屋のドアを自分好みのスタイルに替えたい」と考えたとしても、構造・工法の関係から不可能なこともあります。好みに沿った細やかな対応は求められないと考えておきましょう。
注文住宅と建売住宅、それぞれの長所・短所を紹介してきましたが、やはり理想のマイホームを追及するのであれば、間違いなく注文住宅がおススメです。
建築会社に自分の意見を聞いてもらい、何もないところから、自分の理想を少しずつ形にしていく…そんな経験は間違いなく注文住宅でなければできないことですし、そこに生まれる価値はプライスレスです。
注文住宅と比較することなく「建売住宅で十分」と考えている人も多いかと思いますが、ただ「価格が高そう」というイメージだけでそう結論付けているとしたら、それは間違いであることは前述したとおり。
気になった人や「嘘でしょう?」と思った人は、一度モデルハウスなどを訪れて、相談してみてください。