新築LDKの内装デザインで最近人気が高まっている「下がり天井」のキッチン。
下がり天井は、ワンフロアLDKにメリハリや立体感が生まれておしゃれに仕上がるのがメリットです。
しかし、計画時にしっかりシミュレーションしないと「思ったより費用がかかってしまった」「なんだかダサく見えてしまった」などの後悔を招くことも…。
今回は、キッチンに下がり天井を取り入れるメリットと、下がり天井をおしゃれに仕上げるコツについて解説します。
下がり天井を取り入れることで工事費用が変わるかどうかについても解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
■下がり天井とは
下がり天井とは、その名の通り天井が他よりも低くなっている部分のことを指します。
キッチンの上部分、リビングの上部分など、ある程度の面積の天井が低くなっている場合のほかにも、梁やダクトを通すために天井の一部が出っ張っている場合も「下がり天井」と呼びます。
・下がり天井と折り上げ天井の違い
下がり天井と逆に、天井の一部が他よりも高くなっている天井を「折り上げ天井」と呼びます。
天井の一番低い部分が一般的な天井高(2400mm)よりも高く、それよりもさらに高い天井部分がある場合、高い方の天井を「折り上げ天井」と呼びます。
逆に、天井の一番低い部分が2400mmよりも低くなっている場合、低い方の天井を「下がり天井」と呼びます。
下がり天井や折り上げ天井は、
- ・空間にアクセントが作れる
- ・天井の違う部分と独立した空間に見せられる
- ・落ち着きのある空間が作れる(下がり天井)
- ・開放感のある空間が作れる(折り上げ天井)
などのメリットがあります。
■キッチンを下がり天井にするメリット
住宅の中でも、特にキッチンを下がり天井にするメリットについて簡単にまとめてみます。
メリット①:LDKに奥行き・メリハリが生まれる
キッチンの下がり天井は、ワンフロアのLDKに高さの異なる部分を作ることで奥行き感を出し、空間にメリハリを作れるメリットがあります。
下がった天井部分を木目のアクセントクロスや板張りにすると、よりメリハリ感が増しておしゃれなLDKになります。
メリット②:ワンフロアを緩やかに仕切れる
キッチンを下がり天井にすると、壁や間仕切りがなくても、「キッチン」「リビングダイニング」が何となく分かれて見えるようになります。
ワンフロアLDKの開放感を維持しながら、空間を緩やかにゾーン分けできるのも下がり天井のメリットです。
メリット③:間接照明を取り入れやすい
下がり天井は、天井の段差を利用した間接照明(コーブ照明)の設置場所にも適しています。
下がり天井や折り上げ天井の間接照明は、低い方の天井脇から、高い方の天井に向かって照らすように設置します。
キッチンを下がり天井にした場合、リビング(ダイニング)側の天井に向かって照らす間接照明にすると、ホテルのようなおしゃれで高級感のあるLDKになりますよ。
メリット④:配管やダクトを隠せる
アイランドキッチンを採用した場合、レンジフードが外壁に付いていないため、ダクトを外壁と繋げる必要があります。
ダクトをむき出しにしてインテリアとして見せる方法もありますが、一般的には天井裏を通すので、キッチン全体やレンジフードの回りを下がり天井にすればダクトを無理なく納められます。
■キッチンに下がり天井を採用する際の注意点
次に、キッチンに下がり天井を採用する際に気をつけたいポイントを紹介します。プランニング時の参考にしてください。
注意点①:天井は何センチ下げれば良い?
下がり天井の高さは、10~20cm程度が一般的です。間接照明(コーブ照明)を入れる場合は15cm以上にすることが多いです。
注意点②:元々の天井高さに注意
天井高は通常2400mmが一般的ですが、天井高を2200mmなど低めに設計している場合、その天井をさらに20mm下げると、背の高い人は窮屈さを感じるでしょう。
例えば、掃き出し窓のサッシの高さに合わせた2200mmの天井高にした場合、キッチンを下がり天井にすると圧迫感が出る可能性があるので注意しましょう。
また、コンロ上のレンジフードの排気口は、建築基準法によって天井または天井から下方80cm以内の高さの位置(煙突又は排気フードを有する排気筒を設ける場合には、適当な位置)にする必要があります。
さらに、消防法および市区町村の火災予防条例によって、火元から100cmの範囲内にフードの排気口の下端が来るようにしなければなりません。
<ガスコンロ・IH調理器とレンジフードの距離(火災予防条例第3条第1項第1号)>
参考・イラスト引用元:東京消防庁「キッチンまわりの豆知識」
建築基準法施行令第二十条の三第2項
キッチンの天板の高さは80~90cmが標準ですが、身長の高い方が天板高さを90cmにした場合、天井高が低いとレンジフードが頭に近くなり使いにくくなる可能性があります。
キッチンで下がり天井を採用する際は、家族の身長と、採用するキッチン設備のサイズなどを総合的に検討した上で決定しましょう。
注意点③:オプション費用が発生する
下がり天井の部分は、通常の天井仕上げではなくなるため別途工事費用がかかる場合があ流点は覚えておきましょう。下がり天井にするための追加工事費用は2万円〜10万円程度が相場です。
※下がり天井の面積や下げる高さなどによっても工事費用は変わってきます。
天井を下げる工事自体の費用に加えて、クロスを木目調などに変える場合や、間接照明を設置する場合はその分の費用もプラスされます。
■下がり天井のおしゃれなキッチン施工事例
実例①:カウンターと素材感を合わせた下がり天井がおしゃれなキッチン
高級感のある石材調のキッチンと下がり天井のアクセントクロスを合わせてコーディネートしました。
リビング→ダイニング→キッチンと、LDKの奥に行くにつれて内装の色が濃くなっているため、より空間が引き締まって見え、奥行き感が増しているのが感じられると思います。
実例②:下がり天井をカーブさせてナチュラル感を出したLDK
事例を見る⇒空間を意識した、自然光降り注ぐ開放感のある住まい
こちらの事例では、下がり天井をカーブするように仕上げています。
カーブの視覚効果で、天井が高く見えてリビングの開放感がアップしています。お部屋全体の印象も柔らかくなりますね。
実例③:下がり天井とキャットウォークで空間をタテヨコにつないだキッチン
事例を見る⇒空間のつながりを意識した、開放感あふれる素敵な住まい|立川市
キッチンと隣接した小上がりのダイニングを、木目の下がり天井を使ってつながりを感じられる空間に仕上げました。さらに、キャットウォークを兼ねた構造の梁を下がり天井と垂直に交差させています。
天井で部屋を縦・横につなぐことで、一体感のある空間をつくるアイデアです。
■まとめ
今回は、キッチンに下がり天井を取り入れるメリットやおしゃれに仕上げるポイント・プランニング時の注意点などについて解説しました。
キッチンはレンジフードのダクトの納め方によって、下がり天井ができやすい部分ですが、今回ご紹介した事例のように、下がっている部分を上手にインテリアとして活かすことで、とても居心地の良いLDKを作れますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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